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弛緩法のポイント
弛緩法のレッスンの目的は、緊張と弛緩(リラックス)の状態を身体で感じることです。そして、緊張した部分から、意識的に力を抜く技術を覚えることです。練習を重ね技術をマスターすることによって、心と身体が本当に安定している状態、つまり自律神経のバランスが最もよくとれている状態に自分を導くことができるようになります。
そして、いよいよお産が始まったときには、陣痛から出産までの間を、リラックスした心と身体でいることができるはずです。
すべて肩とか腕を下に降ろすときは、
力を抜きながら静かに息を吐きます。
●レッスン(緊張と弛緩)をただ漠然と行わない事。それぞれの状態の違いをしっかり感じとって、心をこめて行ってください。

●1日に1回。
ゆっくりとしたペースで、妊娠中期から練習しましょう。

それでは、弛緩法を実際にやってみましょう。

1

両足を腰幅に開いて背筋をのばして立ちます。
両肩を後ろにひいて、肩甲骨が合うように力を入れます。

※緊張しているのは肩と肩甲骨周辺だけ、
腕・ひじ・手は力を抜いてブラブラさせておきましょう。

2

そのまま肩を上に上げて、両肩の中に首を入れます。

※あごを出さずに、ひいてください。

3

そのままストンと両肩・両腕を下に落とします。

※前かがみにならないで、できるだけ後ろの方へ肩を張ったまま落とします。

 

1

両足を腰幅に開いて背筋を伸ばして立ちます。
両肩を上げて、肩に力を入れます。

腕はブラブラさせておきましょう。
次に肩甲骨を合わせます。(A-1の要領)
そのままゆっくり後ろから肩を降ろします。

2

次に肩甲骨をいっぱいに開く感じで、肩を前にもっていきます。
両肩で胸をかかえるように腕も少し前へ。

3

両肩に力を入れたまま、続けて肩を上に上げ、両肩の間に首を入れます。
1周回ったら、肩の力を抜いてゆっくり降ろします。

 

1

首を前に倒します。
電車内の居眠りのように、頭の重みでストンと落とします。
頭はブランとなっているはずです。
 

2

首を後ろへ倒します。
首を後ろに曲げるのではなく、頭を後ろへ倒す感じです。
首のつけ根からは力が抜けています。

※口は自然にポカンと開けて下さい。

3

首を回します。
1の要領で首前落とし→ 左に2回回し→ 右に2回回し→ 首を上げる→ 2の要領で首後ろ落とし→ 左に2回回し右に2回回し

※力を入れないように、ゆっくりと回します。

 


1

両足を少し開いて立ちます。片腕を斜め上に上げましょう。

2

手とひじの力を抜いて、ひじを折り曲げて手を落とします。

3

次に肩の力を抜いてください。
"二段落とし"は肩から力が抜ける感じがよくわかります。
同じように反対側の腕も行います。
 

 

1

両足を少し開いて立ちます。
両腕を斜め上に上げます。

2

両ひじから力を抜き、次に肩の力を抜いてください。

3

ゆっくりと腕を降ろします。
"二段落とし"は肩から力が抜ける感じがよくわかります。

 

座るか、椅子に腰をかけましょう。背筋をきちんとのばし、手のひらを上に向けて、太ももの上に軽く置きます。目は半眼にゆったりとした呼吸で気持ちを静め自分の身体の中に意識を向けるよう心がけてください。頭の先から足の先まで順番に、そこに意識を集中して、息を吐きながら力を抜いて緊張をといていきます。

頭の毛の生えている部分→ ひたい→ 眉毛→ 目→ 耳→ ほお→ 口→ 首→ 両肩→ 両腕→ 両ひじ→ 両手→ 背中→ 胸→ 腹→ 腰→ 骨盤の中の筋肉→ 膣→ 肛門→ 太もも→ 両足

以上を10分間以上かけてゆっくり行います。
最後に、もう一度深く息を吐きましょう。

●全身がリラックスしておだやかな気持ち…、
その気持ちよさを十分に味わいましょう。


呼吸法のポイント
肩呼吸を行います。
弛緩法で肩の力を抜く練習をしましたね。
その要領で、肩からおへそのあたりに向かって
力を抜きながら少しお腹をふくらませるように
静かにひたすらゆっくりと息を吐いていきます。

●すべての呼吸法は、
"吐く"からスタートし、"吐く"で終了します。
リズムにのって吐く方から始めましょう。

静かに長く吐いていきます。
吸うのは、自然にまかせて短く。吸うことを意識する必要はありません。吐くのをやめると空気は自然に入ってきますから。(息を吐く動作は緊張をとり、吸うと緊張が加わるからです)

●呼吸法は、子宮収縮が強くなってからでは遅く、始まりかけるとわかりますから、そのときからスタートします。始めは練習のつもりで。

●激しく早い呼吸はしてはいけません。換気過剰症になってしまいます。動脈が収縮して酸欠状態になって頭がぼーっとしたり、赤ちゃんにも悪い影響を与えます。

●目は少し開き(半眼)一点を見つめます。目は閉じないでください。

●呼吸法をすること以外は何も考えないでください。

●舌の先を上あごにつけます。

以上はうっとりとした半睡眠状態を排除するためです。

●呼吸法のかたち、回数・強弱は子宮収縮に合わせて自分のやりやすいように行ってください。

●声を出してはいけません。声を出すと緊張して、弛緩につながりません。陣痛が強くなるほど静かに強くはいてください。


それでは、呼吸法を実際にやってみましょう。

 


Type 1 基礎になる呼吸法

 

吐く
吸う(自然にまかせる)
リズミカルに
Type1、2、3、自分のやりやすい方法を
自由に行ってください。


Type 2 & 3 ヒー・フー式
この呼吸法は、痛みが少し強くなって子宮口が3〜5cmぐらい開いてから行います。
ヒーというのは少し短めです。そしてフーは長めになります。
吐くだけでヒー・フーですね。
 

次第に肛門の方につっぱってきたり、いきみたくなってきます。そのときも、短く息を吐き、次は前よりもできる限り長く吐いて肩からおへそのあたりまで〜全身の力を抜いていきます。
たとえば「ヒッ」あるいは「フッ」と短く、つぎに「ふーーー」とできる限り長く、そしてリズムにのって吐いていきます。
そうすれば、自然の子宮収縮をうまく利用できます。



Type 4 フー・ウン式

思い切って吐いてもいきみをのがせない、しかも、
出産まで少し時間がかかりそうなとき。
フーと吐いてから、喉から上の方に向かってウンと
少し声を出していきみをのがします。
ついで、赤ちゃんの頭が外に見え隠れするように
なってから次のウンといきむ呼吸法に入ります。
短くフーと吐いてから、肛門の方に約1〜2秒いきみます。
それ以上ウンで長くいきむと赤ちゃんを強く圧迫して
弱らせたり、産道が裂けて出血が多くなったりしますので、
注意して下さい。お腹(おへそ)のあたりを引っ込めて、
肛門のあたりをお腹の方に向かっていきみます。
骨盤誘導線を思い浮かべて下さい。その線にそって
赤ちゃんを出すようにすれば、スムースにすべるように
して産まれてきます。

骨盤誘導線の図


Type 5 フー・フー式
(赤ちゃんが出てくるときの力の抜き方)
いざ赤ちゃんが出てくるときは、けっしていきんではいけません。ゆっくりと赤ちゃんを出してあげてください。
フー・フーの呼吸法は、基礎呼吸法によく似ていますが、もっと、徹底して、深く、ゆっくりと全身の筋肉を力を抜き切るようにして、息を吐きます。
呼吸法は、
あくまでも静かに、ゆっくりと。


他に大切なことは身体を動かすことです。

妊娠中は、あまり無理をしない程度に毎日時間を決めて身体を動かしましょう。散歩、部屋の掃除等その他なんでも身体を動かす機会を作ってください。筋肉をほぐすことは心をほぐすことになります。
お産の時も身体を積極的に動かしてください。歩いたり、座ったり、四つばいになったり、自由にしてください。おなかの赤ちゃんも一緒に動いて、産道の中を回りやすくなり、うまく下がることができます。

Lesson1 (弛緩法と呼吸法について)

実践編 終わりに

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